HISTORY

催眠出産の歴史

世界に存在する催眠を取り入れた痛みのない出産法

催眠技法を用いた出産法は、決して新しいものではありません。
世界に目を向けると、実は、19世紀前半から実施されてきたものなのです。

いくつかの例をあげてみますと……
1840年にベルリンのゲーリン、1863年にスイスのラ・フォンテーヌなどが、それぞれ独自に探究し、出産を無痛にすることを可能にしていました。
1880年頃からは、フランスの医師会が一般の治療法として催眠を用いていましたが、出産にも用いたところ、「催眠技法によって無痛で分娩を進行させることができる」と指摘。
1899年、フランスのポール・ジュレは、「痛みは出産の本質的な特徴ではなく、有用な生理学的作用としてはまったく役立たない」と結論づけています。
1930年代のロシアでは、産科医たちが出産に催眠の暗示法を用いて、痛みを解消するうえで確かな効果があることを実証しています。
1933年には、グラントリー・ディック・リード医師が、分娩時に深くリラックスしていると、モルヒネの200倍と言われている鎮痛弛緩作用のあるホルモン、“エンドルフィン”が大量に分泌することを発見。著書『自然な出産』の中で、「恐れが緊張を生み、陣痛の原因になる」と唱えています。

日本でも広く知られているラマーズ法は、まさに催眠出産法の代表格と言えるもの。フランスのフェルナン・ラマーズ医師が、20世紀半ばに開発したもので、恐怖や不安、思い込みをなくし、暗示と呼吸法によってリラックス状態を作り出すことが基本です。

このように、催眠の技法によって痛みを軽減させる穏やかな無痛分娩法は、19世紀から細々とではありますが、継承され続けてきたのです。
この方法を実践した出産に立ち合ってきた多くの医師たちは、出産に痛みは避けられないという概念が不要であること、それよりも妊婦さんに、「無痛で出産できることを教えるべきだ」と気づいていたようです。
けれども、ますます医療の業界全体が西洋医学一辺倒になり、医薬品開発が進むうちに、あらゆる病気や症状は薬でコントロールできるという概念が広く浸透していきました。出産に関してもいつのまにか、分娩という自然なリズムの動きすら、薬でコントロールされるようになってしまったのです。

ジョナサン・ダイ医師(1891年)

生物学的法則によると
自然で正常な体の機能は危険や痛みを伴わないものなのです。
健康で正常な女性と健康な赤ちゃんにとって
出産とは正常な生物学的機能です。
したがって、健康な女性が健康な赤ちゃんを出産する場合には
危険や痛みを伴わない安全な出産が可能であると推測することができるのです。

ヒポクラテス(紀元前460年―紀元前377年:古代ギリシャの医師)

アリストテレス(紀元前384年―紀元前322年:古代ギリシャの哲学者)

自然こそが最高の医師であり、「中間者の干渉」による指図を受け取ることなく機能するにまかせるべきである。

グラントリ・ディック・リード(1953年)

自然分娩の誕生 /私たちがもたらしたいと願っているのは
単に母親にも子どもにも事故のリスクのない楽な出産ではありません。
そのさらに先へ行かなければならないなのです。
出産とは根本的に、身体的な達成だけではなく
精神的な達成でもあるのです…。
子どもの誕生とはこの上なく完全な人間愛なのです。

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